輸送における温度履歴管理の重要性

食品加工工場や医薬品・化学薬品の製造工場では、厳格な温度管理が必要になる場合があります。

それらの製品を収容する倉庫や、輸送するトラックなども、常に一定の温度を保っていなければなりません。温度の大きな変化は品質を劣化させる原因になります。わかりやすい例は冷凍食品で、一度でも融けてしまうと、再凍結させたときに味が落ちてしまいます。こうしたことを防ぐため、温度履歴を記録に残しておくことが重要です。

現在では温度履歴を管理できるデータロガーやデータレコーダーが、さまざまな場面で導入されています。製造現場やコンテナ・保冷トラックなどの輸送現場はもちろん、農業用のビニールハウスや、オフィス・介護施設などの空調管理にも用いられます。また一般家庭で、熱帯産の観葉植物やペットなどを育てるために利用することもできます。測定間隔やメモリー数などは目的に応じてセットでき、通信セットの付いた製品もあります。

輸送用のデータロガーは小型でバッテリーの寿命が長く、車両やコンテナに同梱することで、長時間の温度履歴を詳細に記録できます。万が一輸送中に何らかのトラブルがあり、温度が変化した場合でも、その状況をいち早く知ることができます。これは商品の品質管理のみならず、よりセキュリティの高い輸送ルートや輸送工程の確立にも貢献します。このように温度履歴の記録システムは、温度管理の必要な製品の安全な輸送に大きな役割を果たしています。

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